今年も早いもので先日「立冬」を迎え、暦の上では秋から冬へと移り変わっています🍁
季節の変わり目、皆様お元気にお過ごしでしょうか?
だんだんと寒くなってまいりましたが…
健康な毎日を過ごし、若さや美しさを保つために、ビタミンは欠かせない栄養素です。
その中でも今日は「ビタミンC」についてのお話をさせていただきます。
ほとんどの哺乳動物は、体内で必要なビタミンCを自ら作り出すことができますが、私たち人間はビタミンCを自ら作り出すことができません。
そのため、食事などからビタミンCを摂取する必要があります。
ヨーロッパでは、15世紀半ばから17世紀半ばにかけての大航海時代に、ビタミンC不足が原因の壊血病で、多くの船員が死亡したといわれています。
一説によると、この壊血病で200万人もの船乗りが犠牲になったともいわれています。
壊血病は、脱力感や体重減少、歯肉の出血や歯の脱落、皮膚から出血が起こる病気です。
冷蔵庫や冷凍技術といったものがない時代。
長旅であればあるほど、ビタミンCの供給源である生野菜や果物といった新鮮な食材を保存することは困難です。
船上でビタミンC不足に陥った船員たちは次々と倒れていきました。
そんな時、イギリスの海軍軍医リンドが、オレンジやレモンなどの柑橘類を食べることで壊血病を予防できることを発見し、海軍で全船へのレモンの支給を行ったところ、壊血病が激減したのです。
壊血病は、新鮮な食べ物が豊富な先進国では発症することはない、と考えられています。
しかし、毎年多くの壊血病患者が先進国から報告されています。
2006年以降に先進国で見つかった壊血病患者の共通点は、新鮮な果物や野菜を長期間にわたり食べていないということです。
また、壊血病患者の多くは慢性的なアルコール中毒者、高頻度の喫煙者、独り暮らしのお年寄りでした。
高齢者で時々、手足の表面が内出血だらけのかたがいらっしゃいます。
これはコラーゲン合成が低下し、血管がもろくなり、ちょっとした刺激で内出血が起こっているのです。
コラーゲンは鉄、タンパク質、ビタミンCから合成されます。
コラーゲン合成低下の原因は、若い女性なら鉄不足、高齢者であればビタミンC不足の可能性が高いです。
高齢者の手足に紫色の内出血が起こっている場合、ビタミンCのサプリメントを飲むのもひとつです。
美容という観点からも肌を支える構造にコラーゲンがかかわっています。
肌は外側から0.2㎜の部分で細胞が生まれ変わっており(ターンオーバーしている)、その下には真皮という組織があり、そこにコラーゲンやヒアルロン酸といった架け橋構造があります。
これはイメージでいうとベットのスプリング部分になります。
そこに必要なのがコラーゲンの構造なので、ビタミンCや鉄が必要となります。
このスプリング部分が弱ってくると、肌がたるんだり、しわになったりしてしまいます。
壊血病のそのほかの症状としては、いらいらする、顔色が悪い、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などがあります。
壊血病を発症するまでには至らないにしても、ビタミンCが不足している日本人は、多くいると考えられています。
また、ビタミンCはストレスに対してもとても重要な栄養素です。
ストレスに対処する臓器である副腎は、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、コルチゾールといった抗ストレス作用のある様々なホルモンを産生、分泌をするために、ビタミンCを使っています。
血液中のビタミンC濃度を1とすると、脳は血液中の20倍、白血球は80倍、副腎は150倍の濃度のビタミンCが含まれています。
実際にストレス状態におかれると、ビタミンCの消費量が増えます。
ですから、ビタミンCが不足すると、ストレスに対応する副腎からのホルモン分泌がうまくいかなくなり、ストレス対応できなくなり、疲れが取れない、朝起きられない、夜中になると頭が冴えて眠れない、頭がボーッとする、病気やケガの治りが遅い、性欲低下といった症状が出ます。
その他にも、心臓病、肺炎、脳炎、がん、帯状疱疹、関節炎、動脈硬化、椎間板ヘルニア、高コレステロール、糖尿病、統合失調症、多発性硬化症、慢性疲労、アレルギー反応、白内障など、30以上の重大疾患に対しての有効性が示されていて、人体に必須の栄養素であることがわかります。
もちろん、ビタミンCがあれば、これらの病気のリスクがすべてなくなるわけではありません。
しかし、これだけの疾患に関与しているということは、それだけビタミンCの役割は重要であることがわかります。
脂肪を燃焼させるときに働くカルニチンの合成にも、鉄やビタミンCがかかわっています。
ダイエット中や、やせる体質にしたいのであればやはり必須となります。
効率的にビタミンCを摂取するには、食材を新鮮な生の状態で食べるのがお勧めです。
ビタミンC自体は酸化しやすい性質があり、食品に含まれるビタミンCの多くは保存や調理、加工の過程で失われやすいといわれています。
また、ビタミンCは水に溶かすと急速に酸化してしまうため、ビタミンC入り飲料は開封したら早めに飲むようにしましょう。
成人では1日の推奨量が100㎎(2020年版食事摂取基準)と設定されています。
通常の食事による過剰摂取の報告はないため、耐容上限量は定められていません。
効率的な摂取方法として…
ビタミンCは摂取すると3時間で血中濃度が上がり、6時間で排泄されてしまいます。
それらを考慮すると、朝昼夕と毎日半日単位で、サプリメントや補助食品等も活用しながら多めに摂取することを意識することが大切です。
しかし、通常の食品以外のサプリメントなどから一度に1,000㎎以上の量のビタミンCを摂取することは推奨できないとされています。
ビタミンCに限ったことではありませんが、必要量は個人個人異なりますので、サプリメントを摂取する場合は規定量から試していくようにしましょう。
まずは、自分の体調不良が、もしかしてビタミンCの不足からきているのではないか…
と気づくことが大切です。
普段、野菜や果物を十分に摂取できていないと思われるかたは特に、ご注意くださいね!
抗酸化力に優れたビタミンCをしっかり摂って、風邪など引かぬようお気を付けくださいませ💓
今日もお読みいただき、ありがとうございます🍓