「睡眠のメカニズム」についてはまだまだわからないことばかりのようですが、「睡眠の重要性」については年々様々な情報が耳に入ってくるようになりましたね。
こちら、見られたかたも多いかも知れませんが…
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史先生と成田悠輔さんの対談では、睡眠について興味深いお話をたくさんされています。
今月の日本栄養士会雑誌にも
「良い睡眠に関する基本的な考え方」
について書かれています。
日本人の平均的な睡眠時間は、かなり短いようです。
2019年の国民健康・栄養調査結果では、男女ともに約4割の者の睡眠時間が、6時間未満であることが報告されています。
また、OECD(経済協力開発機構)における33ヵ国を対象とした調査結果を見ると、わが国の睡眠時間は7時間22分であり、各国の平均値(8時間28分)と比較しても約1時間短いことがわかっています。
それはお仕事上、やむを得ないことであったり…
子育て世帯のお父さん、お母さんであればなおのこと…
睡眠時間を確保することが難しい、といった現実もあることと思います。
Amerikan Academy of Sleep Medicine と Sleep Research Society における合意声明では、18~60歳の成人において適切な健康状態を保つためには、7時間以上の睡眠時間を確保することが望ましい と報告されています。
もちろん、各個人における遺伝的・身体的および社会環境要因的な背景が異なるので、必要な睡眠時間にばらつきがあるものの、特に短時間睡眠については、様々な健康リスクが明らかにされています。
例えば、上述した合意声明では、習慣的な睡眠時間が7時間未満であることは、
体重増加・肥満・糖尿病・高血圧・心血管疾患・うつおよび死亡
と関連することが確認されています。
他にも、一晩の睡眠が7時間未満であることは、短期的な影響として、
免疫機能の低下・痛みの増加・パフォーマンス低下・作業能力の低下やアクシデントのリスクの増加
と関連することも示唆されています。
徹夜や慢性的な睡眠不足による「脳のパフォーマンス」は、酩酊状態に似ている
とも言われています。
一方、わが国における中高年の男女約10万人を、約20年間(平均値)にわたって追跡した多目的コフォート研究では、睡眠時間が7時間のグループと比較して、睡眠時間が10時間以上のグループでは、全死亡率のリスクが高いことが報告されています。
足らないのはもちろんのこと、多すぎてもよくないということになります。
長時間睡眠と死亡リスクとの背景にあるメカニズムの詳細は、いまだ十分に明かされていないものの、
近年の報告では、高齢世代において睡眠休養感の伴わない長時間の床上時間が、死亡リスクと関連することも報告されています。
世代別の最適な睡眠時間について…
米国国立睡眠財団によると、
新生児(生後4週間まで)は14~17時間
乳児(1歳未満)は12~15時間
幼児(満1歳以降)は11~14時間
未就学児は10~13時間
小学生は9~11時間
10代の若者は8~10時間
成人(高齢者は除く)は7~9時間
高齢者は7~8時間
と示されています。
※なお、必要な睡眠時間には個人差があり、
特に、高齢世代でも日中に忙しく過ごしている人においては、成人と同等の睡眠時間が必要な場合もあります。
柳沢正史先生も、
「日中眠いことを当たり前と思っている人が多いが、居眠りをしたり仮眠をとらざるをえなかったりする状況は、明らかに睡眠不足だ」
と話されています。
また、
「日本人の睡眠についての考えは、世界に比べて周回遅れ。
睡眠を専門とする医師も足りていない」
と指摘。
「睡眠時間をあらかじめ確保したうえで、仕事や趣味の時間を考えてほしい」
と話されています。
皆様は日中、眠気を感じることはありませんか?
睡眠不足だけの問題ではない場合もありますが…
日中はなるべくなら、眠気に誘われることは避けたいものです。
特に自動車運転中などに眠くなってしまうと、本当に困ります。。
ふと、学生時代の心理学の先生が仰っていたことを思い出しました。
運転中、どうしても眠くて眠くて仕方がない時は…
「信号待ちの1、2分でも私は寝ます」と…💧
(→ 「安全な場所で休憩をとる」が正しいかと思いますが😅)
ただし、ちゃんとギアはPに入れてサイドブレーキも引いて、と。
青になっても走り出さなければ、後続車がクラクションでちゃんと起こしてくれるから大丈夫(?)だそうです💦
その1、2分寝るだけでも全然違うし、居眠り運転で事故るよりずっといいからと…
後続車が居ない信号待ち や 高速道路 では不可ですね…笑
安全睡眠、安全運転を心がけましょうね!!
今日もお読みいただき、ありがとうございます💕