これから益々加速する高齢化社会…
家族の介護に直面されるかたも増えてくるのではないかと思います。
私にも75歳の母親がおります。
有り難いことに元気過ぎるほど元気なものですから、現実的な介護というのはまだ少し先になるのかな…と思っていますが…
とはいえ遠からぬ将来、他人事ではない日が来ることも考えなければならないな と思うこともあります。
先日、
介護に関わる際、気を付けなければならないことがある…
といったことが書かれている本を手にしました。
それは、
介護を「生きがい」にしてはいけない
という内容でした。
定年退職し、次の仕事や趣味などもなく、これといって毎日やることがなくなった人に限って、介護を生きがいにしてしまう人がいる。
しかし、こうした介護への関わりかたは、その人の晩年をダメにしてしまう可能性が高い。
介護を生きがいにしてはいけない大きな理由は、介護していた家族が亡くなったあと、その介護者が一気に衰えてしまう。
燃え尽き症候群とでもいうのでしょうか…
何もせず毎日を過ごすようになり、介護廃人のようになってしまうことがよくあるそうです。
そうならないためにも、介護保険制度なども駆使して、いかに楽をするかという視点で
ヘルパーさんの手などを借りる。場合によっては、施設などに入所してもらうことも考えましょう。
そのような決断をしても、なんら罪の意識を感じる必要はありません。
介護を生きがいにしないということは、この先の長い老後を元気に生きていくために、とても大事なポイントです。
といった内容でした。
最初読んだときは、なるほど確かにそういう話はよく耳にする…
と、納得したような気持ちになりましたし、介護サービスを利用しながら介護者自身の幸せな人生を並行して成り立たせていくことが理想的な介護の形ではないかと思います。
ですが、私の中には何かモヤモヤする感覚が残っていました。
介護を「生きがい」にしない…
介護がどんなに大変なことかがわかっていたら、
最初から、介護を生きがいにする!と思って始める人はあまりいないのかもしれません。
また、介護については個人個人、様々な思いがあるのではないかと思います。
初めから介護をするつもりなどない、というかたもいらっしゃいますし、逆に介護してもらうつもりはないというかたもいらっしゃいます。
子に介護をするつもりはなくても、介護してもらうことが当然と思われている親御さんもいらっしゃるでしょう。
このあたりの意識の違いは、年代によるものもあれば、育った環境や親子関係など様々な背景があるかと思います。
できることであれば、介護に関してはそうなってから考えるのではなく、親御さんが元気なうちにお互いの意思や望みを明確にしておくことが大切なのではないかと思います。
特に、認知症があるかないかで介護の形も大きく変わってきます。
認知症や重症な持病、身体的に大きな機能低下がなければ、独居であっても付きっきりの介護を要せず最期まで自宅で過ごしていくことも可能です。
仮に突然介護を要する状況になり、数ヶ月、もしくは数年介護生活が続き、その介護が終了した後、何もせず毎日を過ごすようになったとしても、その状態が必ずしも介護廃人というひとくくりにできることではないと思ったりもします。
過酷な介護の日々から放たれることで、気が抜けたようになることもあるでしょう…
それだけ全身全霊で介護に取り組んでいた、ということではないかと思います。
自分自身を殺してまで、介護に明け暮れてしまうということもあるかもしれません。
その時はそうするよりほかなかった…ということではないかと思います。
何が良い、悪い、と簡単に語れることではないように思います。
私の勤める老人福祉施設には、様々な入所者様がいらっしゃり、その入所者様のご家族にも様々な背景があります。
旦那様はすでに亡くなり、旦那様のご両親お二人ともが入所されており、お嫁さんという立場でそのご両親の施設利用料を支払われているかたもいらっしゃいます。
ご自分も持病があり決して健康とは言えない状況にもかかわらず、パートで必死にお仕事をしながら…
直接的な介護ではないかもしれませんが、これもまた大きな責務を背負った生き方です。
介護は親子だけの問題ではありません。夫婦間であっても考えていかなければならないことではないかと思います。
介護が苦にならない…
それどころか「生きがい」にすることができる親子関係、夫婦関係を築いていくというのが究極の愛のカタチ なのかもしれません…
最後までお読みいただき、ありがとうございます🌸