nanairoy’s diary

欠けた月の黒いところ♪

水について(その1)「点滴は天敵?」

 

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先日、長年の入所者様の1人である

Kさんがお亡くなりになりました。

 

 

もう何年も前からベット上で寝たきりの生活。

 

 

食事は介護士の全面介助により

召し上がれていたのですが

 

段々と嚥下機能の低下が見られており

 

2ヶ月程前に発熱と共に呼吸状態の低下があり

 

お口から食事を摂る事が難しくなりました。

 

 

そこからは1日1,000cc程の点滴のみで

様子観察。

 

 

このところ、

体のむくみや痰がらみの増加もあり

 

お看取りの方向で点滴の量を

1日500ccに減らそうと言っていた矢先に…

 

お亡くなりになってしまいました。

 

 

本来は少しずつ水分を減らしながら

 

枯れるように最期を迎えることが

 

ご本人にとっては一番楽な最期を

 

迎えることが出来ると言われています。

 

 

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とは言え、

 

点滴を完全に止めてしまうというのは

 

「餓死」させてしまうことになるのでは…

 

という考えもありますし

 

 

一日でも長く生きていてほしいという気持ちが

あればあるほど

 

少しでも栄養や水分を入れてほしい

 

というご家族のお気持ちも痛いほどわかります。

 

 

亡くなる前の状況は人それぞれではありますので

 

一概に言えることではありませんが

 

一般的には

 

点滴をしないことで痰の量が減ったり

 

脳内エンドルフィンや

 

ケトン体が増えることによる

 

鎮静鎮痛作用により

 

本人は至って安らかな最期を迎えることが

 

出来ると言われています。

 

 

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花が枯れる時

 

どんなに水や肥料をあげても

却って根を腐らせてしまうように

 

人間も全身が衰弱し

 

様々な機能が低下し停止に向かう過程で

 

栄養や水分を入れてしまうと

 

体はむくみ、痰がからみ

吸引器による苦しい吸引を行うこととなり

 

せっかくの鎮静鎮痛作用は消え

 

心地良く穏やかな最期でなくなってしまう…

 

 

もちろん持病があるかたですと

病態によっては急変したり

 

逆に回復することもありますので

 

そのあたりの見極めは

 

医師であれど非常に難しい判断に

なるのではないかと思います。

 

 

今回のKさんに関しては

 

点滴の量を減らすタイミングが

少し遅かったかも知れません…

 

 

 

ちなみにですが

 

老衰と診断されてからの余命は

 

ある病院では平均1.9ヶ月

というデータがあるそうです。

 

 

口から食事が取れなくなって

点滴のみでの余命は3ヶ月程度。

 

点滴を全くしない場合の余命は

5日〜7日程度。

 

長くても10日間ほどと言われています。

 

 

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人間の体は生まれた時はほとんどが水。

 

胎児では体重の約90パーセント

 

新生児では約80パーセント

 

子どもでは約70パーセント

 

成人では約60〜65パーセント

 

老人では50〜55パーセントを

 

水が占めています。

 

 

そして最期はもっともっと減っていき

 

枯れるようにして穏やかに土に還る。

 

 

それが自然なのですね。

 

 

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今日もお読みいただき、ありがとうございます。