nanairoy’s diary

欠けた月の黒いところ♪

古池や蛙飛びこむ水の音

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今日も朝から蒸し暑いですね💦

 

今朝も市の防災無線で…

 

「本日は熱中症の危険性が大変高くなることが予想されます。外出はなるべく避け、室内で涼しくしてお過ごしください。」

 

といった放送が流れました。。

 

この暑さ、来週も続く予報ですね💦

 

今年の長い夏を何とか乗り切るために、今日は脱水予防についてお話をさせていただきます。

 

特に高齢者のかたの脱水についてのお話になりますが、若いかたにも是非お読みいただければと思います。

 

 

まず脱水とは、体内の水分と電解質(ナトリウム(塩分)、カリウムなど)が減少した状態です。

 

脱水にも種類があります。

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※「防ごう!! 守ろう!! 高齢者の脱水」参照

監修 医療法人社団 至髙会 たかせクリニック院長 髙瀬義昌
企画・協力 日本看護協会・日本訪問看護振興財団・全国訪問看護事業協会 

 

高齢者は混合性(等張性)脱水が多いといわれていますが、不適切な水分補給は電解質異常を悪化させます。特に食塩欠乏性(低張性)脱水症は、のどの渇きや口の中の乾燥がないため、本人も周囲の人も脱水症を見落としがちで、気付いたときには脱水症がかなり進行していたり、意識レベルが低下したり、体調が急変して生命の危険をまねいたりします。

 

塩分は、過剰な摂取は高血圧を招いたり胃ガンのリスクを高めるといいますが、極端な減塩も同じくらい体によくありません。

自分に合った摂取量を把握し、過不足のないよう注意することが必要です。

 

 

私が普段、高齢者のかたと接していて

 

食事がしっかり摂れているかどうか

 

というところが非常に重要になってくると思っています。

 

どのくらい水分を摂取できているか、の前に、

食事は十分に摂れているか?

を見ることが大切です。

 

一汁三菜の食事が3食しっかり食べられていれば、食事からの水分として1日800~1,000mL位摂取できるかと思います。

 

食事がとれている前提で、高齢者であれば飲み水などから1日1,000mL位の水分摂取が必要になります。(疾患等によっては1日1,000mLでも過剰摂取となる場合があります。)

 

また、食事の内容も大切です。

 

甘い菓子パンにバナナ、牛乳で終了!

となると、果物や牛乳からは糖質、タンパク質、ビタミン類、カリウム等は摂れても、塩分は0です。

パンからの塩分が若干摂れる程度となってしまいます。

甘いものばかりで食事を済ませてしまうかたは要注意です。

こういった場合は梅干し1個でも食べていただくと、塩分補給になりますし食欲増進にもつながります。

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では、なぜ高齢者は脱水に陥りやすいのでしょうか…

 

①筋肉量の低下

筋肉は身体の中で最も水分含有量の多い場所であるため、

筋肉量の減少=体液の減少 

となる。

 

②のどの渇きを自覚しにくい

加齢によって脳の口喝中枢機能は低下し、のどの渇きを自覚しにくくなるため、水分摂取が遅れる。

 

③何度もトイレに行かないよう、水分を摂ることを制限してしまう

誤嚥や失禁を恐れて、水分摂取を控えてしまう。

 

④薬剤による利尿効果など 

高血圧や心不全のお薬は利尿効果があり、多尿となってしまう。

下剤使用による下痢や、嘔吐により体内水分量や電解質の減少をおこす。

 

といったことが、脱水症を起こす原因となっています。

 

また、私たちの体は、汗をかくことで体温調節をしています。

じっとしていても、皮膚や呼吸から水分を失うことを不感蒸泄といいます。寝たきりでもこの不感蒸泄により水分は失われています。

※大人の場合、体重1㎏当たり約20mL。体重50kgでは1日約1,000mLの不感蒸泄があります。

(ちなみに、小児は新陳代謝が激しいため不感蒸泄量は、体重1㎏当たり25~30mLほどで、成人の2倍近くになります。)

 

 

水分量が不足すると、体にどのような影響を起こすのでしょうか…

(体重50kgの高齢者の場合、総水分量25L)

 

①1~2%(250~500mL)の不足 

 意識障害(ぼーっとする など)

 

②2~3%(500~750mL)の不足 

    発熱・循環機能に影響

 

③5%(1,250mL)の不足  

 運動機能(特に耐久力)低下

 

④7%(1,750mL)の不足  

 幻覚の出現

 

⑤10%(2,500mL)の不足 

 死亡

 

たった250~500mLの欠乏で意識障害を起こします。

 

 

 

高齢者にみられる脱水症の弊害としては…

 

①めまいやふらつきにより転倒のリスクが高くなる。

 

②皮膚・口腔内の乾燥により、バリア機能が低下する。(感染症等の感染リスクが↑)

 

③痛みの閾値が低下し、痛みを感じにくくなる。(大きなケガにつながる)

 

④血液の粘度が上がることにより、脳卒中、心疾患のリスクが高くなる。

 

⑤消化管の機能が低下し、便秘や消化不良などを起こす。

 

⑥腎不全、心不全などの臓器不全を起こす。

 

 

 

高齢者の脱水症チェック項目です!

いつもと比べて、下記のようなサインを2つ以上認めたら脱水症を疑いましょう。

 

※家族や介護者からの情報

 ①なんとなく元気がない、言葉数が少ない

 ②落ち着きがない

 ③食欲がない

 ④眠りがち

 

※介護者や診療録からの情報

 ①微熱(37℃)が1日以上続く

 ②おしっこの回数が減った、色が濃い

 ③便が固い、ころころしている、便秘

 ④いつもより血圧が低い

 ⑤脈が速い

 

※診て触って得る情報

 ①舌の赤みが強い・舌に亀裂・白いまく・かわきを認める

 ②わきの下が乾いている

 ③手足が冷たい

 

 

 

高齢者の水分の摂り方のコツとしては…

 

①水分のバリエーションを増やす

お茶やお水だけでなく、経口補水液や炭酸飲料、ゼリーやヨーグルトなども水分が豊富です

(炭酸水には嚥下反射を誘発する効果があるといった研究結果が報告されています)

 

②こまめに水分補給を行う

運動前後、入浴前後、おやつなど事あるごとに水分を摂ってもらう

 

③水分補給する環境や場所を変えてみる

気分が変わって、飲んでくれる方も多い

 

④起床時の水分補給

睡眠中は水分が喪失するため、朝は特に脱水している

 

⑤容器の工夫

大きいカップで提供せず、小さめのカップに分けて提供

 

⑥水分だけでなく電解質も一緒に摂取する

ナトリウムイオンとブドウ糖で吸収UP

 

 

脱水は治療よりも予防が大切ですが、いざというときのために、経口補水液(ORS)を準備しておくとよいでしょう。ORSは砂糖と塩があれば簡単に手作りできます!

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脱水症は病気ではありません。小まめな水分補給により十分防ぐことができます🌟

暑い夏、何とか乗り切りましょう!!

 

 

 

 

静かな午後です♪

少しお昼寝でもしようかな…水分摂ってから…

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最後までお読みいただき、ありがとうございます😊